相続させる土地の面積の差を考慮して遺言を作成したケース
状況
91歳のお母様がいる横浜市在住の長男夫婦からの相談です。
土地が2筆(隣接地)あり、それぞれ長男と母、長女と母の共有名義になっています。
それぞれの土地には、長男と母が同居する長男名義の建物、次男名義の建物があります。
最近、近隣の方の土地の境界立会いの際に、長女から長女の土地のほうが少ないから境界ラインを変更してほしいといわれました。
母としては、将来2名が揉めないようにしてあげたいと思っています。
当センターからの提案&お手伝い
お母様のお考えを聞いたところ、長男夫婦とは長年ずっと同居しており、感謝していること、土地の面積の差は今後も同居し、特にお嫁さんには自身の介護のことなどの負担をかけることになるため、その分も含めて長男に若干を多く財産を残したいとのご希望でした。
税理士にも確認し、財産状況を確認したところ、相続税がかかる見込みがないことがわかりました。そこで、下記の方法を提案させていただきました。
①遺言
土地→長男、長女が住む土地をそれぞれに相続させる
預貯金→地積の差を考慮し、長男に預貯金を3分の1、長女に預貯金を3分の2相続させる
遺言執行者→中立な第三者をたてる
メリット
土地を長男、長女が承継する道筋をつくり、預貯金で差をつけることで、土地の面積の差の不平等感を和らげることができます。また、遺言執行者として中立的な第三者をつけることで、円滑な遺言内容の執行を実現することができます。
デメリット
高齢の母の認知症対策にはならない。
②家族信託
委託者母・受託者長男・受益者母とし、母他界後は長男、長女が住む土地をそれぞれに、預貯金を長男に3分の1、長女に3分の2を取得させる内容とする。
メリット
母の生前から財産管理を行うことで、認知症対策にもつながる。
デメリット
預貯金も含め、長男が管理することで、長女の理解を得ないと相続問題が発生する可能性がある。
結果
ご親族関係を考慮した上で検討していたたいた結果、長女に今回のことを事前に説明するとまた変に問題が発生する可能性があるということを考慮され、母の判断だけでできる①の遺言を作成する方法をとることにしました。
上記の内容で遺言を作成し、遺言執行者を当事務所とする遺言を作成しました。
将来問題が生じないよう、お母様の子供に対する思いを遺言の付言事項に盛り込み、ご安心いただき喜んでいただけました。
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解決事例カテゴリー
相続に対する想い
~「相続・遺言」を「家族への想いを語り、伝えるキッカケ」にしたい~
相続・遺言問題は、マイナスのイメージでとらえられることが多いですよね。
争族、必ずモメる遺産分割‥等
一方、楽観的な考え方でよくあるのは、このような意見です。
ウチの家族は仲がいいから大丈夫、もめるほど財産がないから‥等
本当にそうでしょうか?
確かに、そのような一面もあります。しかし当事務所の考え方は違います。
家族に「相続や遺言、成年後見」の問題が降りかかった時、それは、「家族についての想いをお互い語ったり、伝えたりする」キッカケの時がきたということではないでしょうか?
今まで長い間「家族」として共に過ごした時間はありますが、それを言葉にだして、語るキッカケはなかなか日常にはありません。
残された家族に、本当に伝えたいことはなんですか?
また、亡くなった大切な家族に、本当に伝えたいことはなんですか?
お子さんに伝えたいのはどんなことですか?
私たちのところへ生まれてきてくれてありがとう。
そんな言葉かもしれません。
両親に伝えたいことはどんなことですか?
お父さん、お母さん、生んでくれてありがとう。
もっと、もっと想いがあふれてくると思います。
兄弟姉妹に伝えたいことはなんですか?
子供の頃、遊んだあの思い出の場所のことかもしれませんね。
私たちは、「相続・遺言・成年後見」業務を通じて、「家族についての想いを語り、幸せな家族を増やす」ことをミッションとしています。
横浜・六角橋相続サポートセンター
斎藤 竜