遺言の中で遺留分を侵害した場合を想定して、遺留分減殺請求の順序を指定したケース
【状況】
品川区内に自宅と横浜市内にアパートを所有している父がいる長男からの相談でした。
疎遠になっている長女がおり、相続対策に悩んでおりました。
自宅は同居する長男に、アパートは長女にと考えておりましたが、資産価値が異なり、土地の面積も品川の自宅の方が高いので、公平な相続が実現できるかどうか不安があります。
【当センターからの提案&お手伝い】
税理士に確認し、資産価値を算出したところ、考えている案で遺言を作成しても、長男と長女それぞれの遺留分を侵害する見込みは少ないことがわかりました。
お父様と会い、話を深く掘り下げて聞いてみたところ、父には骨董品の収集の趣味があり、鑑定は出していないもののそれなりの価値がありそうなこと、江戸時代に作成された骨董品があること、過去に別荘地を購入しており、利用していないが名義をもち、固定資産税もかかっていることがわかり、骨董品と別荘地も自宅をつぐ長男に相続してもらいたいと考えていました。
そこで、資産承継についての下記の通り、優先順位をつけてもらいました。
①自宅は長男、アパートは長女
②骨董品や家財道具は長男
③預貯金は等分
④別荘地は長男
そこで、万が一骨董品に評価がつき、長女の遺留分を侵害した場合を想定し、下記の内容で遺言を内容を提案しました。
・相続させる内容は父の要望のとおりの内容する
・遺留分減殺請求の順序を①別荘②預貯金③骨董品・家財④不動産の順序に指定する。
【結果】
上記の内容で遺言を作成し、遺言執行者を当事務所とする遺言を作成しました。
万が一、遺留分減殺請求をされた場合でも最悪、不動産は守れるということでご安心いただき、喜んでいただきました。
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相続に対する想い
~「相続・遺言」を「家族への想いを語り、伝えるキッカケ」にしたい~
相続・遺言問題は、マイナスのイメージでとらえられることが多いですよね。
争族、必ずモメる遺産分割‥等
一方、楽観的な考え方でよくあるのは、このような意見です。
ウチの家族は仲がいいから大丈夫、もめるほど財産がないから‥等
本当にそうでしょうか?
確かに、そのような一面もあります。しかし当事務所の考え方は違います。
家族に「相続や遺言、成年後見」の問題が降りかかった時、それは、「家族についての想いをお互い語ったり、伝えたりする」キッカケの時がきたということではないでしょうか?
今まで長い間「家族」として共に過ごした時間はありますが、それを言葉にだして、語るキッカケはなかなか日常にはありません。
残された家族に、本当に伝えたいことはなんですか?
また、亡くなった大切な家族に、本当に伝えたいことはなんですか?
お子さんに伝えたいのはどんなことですか?
私たちのところへ生まれてきてくれてありがとう。
そんな言葉かもしれません。
両親に伝えたいことはどんなことですか?
お父さん、お母さん、生んでくれてありがとう。
もっと、もっと想いがあふれてくると思います。
兄弟姉妹に伝えたいことはなんですか?
子供の頃、遊んだあの思い出の場所のことかもしれませんね。
私たちは、「相続・遺言・成年後見」業務を通じて、「家族についての想いを語り、幸せな家族を増やす」ことをミッションとしています。
横浜・六角橋相続サポートセンター
斎藤 竜