相続人同士で被後見人と後見人の間柄になっており、特別代理人を選任して無事に遺産分割を成 立させたケース
状況
お母様が住んでいるご実家を売却し、長男がお母様と同居するために長男がお勤め先近くのマンションを購入を検討されておりました。
ご実家を売却するにあたって、亡き父名義となっており、相続による名義変更のご相談からお手伝いさせていただいた事案です。 相続関係を伺っていると、相続人にあたる次女が幼少期から障害をもたれており、現在施設に入居しているとのことでした。
物事を判断する能力はないとのことで、お父様の遺産分割協議をすることも難しい状況のため、今日まで至っておりました。
次女の生活費は亡きお父様の遺産とお母様の年金から負担していたとのことで、ご実家の売却にともなう売却代金はマンションの購入費用の他、次女の生活費等に回す予定でした。
当センターからの提案&お手伝い
遺産分割をするにあたって、次女が法律上、物事を判断する能力が必要なため、判断する能力が無い場合には、家庭裁判所の手続きを経て、成年後見人を選任する必要なことがあることを説明しました。
今まではお母様が施設の手続、生活費等の支払いを全て行っていたとのことでしたが、高齢で今後も身の回りの世話を見守り続けるのは適任ではないとして長男が成年後見人となることを提案しました。
成年後見人は本人(次女)の法定代理人として(未成年者に対する親権者のイメージです)本人(次女)に代わり、銀行手続き、施設での手続き等を代わりに行います。
今回の亡き父の遺産分割についても、本来であれば成年後見人になる長男が代わりに行うことになるのですが、そうすると長男が長男の立場と次女の成年後見人という2名の立場で自分自身と協議することになり(民法上、利益相反行為となります)、無効となります。
そのため、遺産分割協議についてのみ成年後見人に代わりに参加する特別代理人を選任する必要があること、その候補者を亡き父の相続人以外のご親族から立てていただくことをお願いしました。
そして、当センターの提携税理士と相談した結果、もう一つの提案として、節税対策として、ご実家に住んでいるお母様名義とする遺産分割をし、お母様が売主として売却することにより、不動産の売却益にかかる譲渡所得税について3000万円の特別控除を活用すること、お母様が実家を単独で相続分する遺産分割では、特別代理人の選任申立をするにあたり、裁判所に次女の相続分を確保していることを証明しないと審判が通らないため、ご実家の売却価格の次女の法定相続分相当額については、お母様が代償金として次女に支払い、施設の費用に当てていく条項を協議書に入れるようアドバイスしました。
結果
成年後見人選任、特別代理人選任を経て、代償金を支払うとともに、お母様が単独でご実家を相続する遺産分割が成立し、ご実家を売却、住み替えをすることができました。
また、ご実家売却に関する譲渡所得税も、3000万円の特別控除の活用することができたことにより、税金がかからないですみました。
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相続に対する想い
~「相続・遺言」を「家族への想いを語り、伝えるキッカケ」にしたい~
相続・遺言問題は、マイナスのイメージでとらえられることが多いですよね。
争族、必ずモメる遺産分割‥等
一方、楽観的な考え方でよくあるのは、このような意見です。
ウチの家族は仲がいいから大丈夫、もめるほど財産がないから‥等
本当にそうでしょうか?
確かに、そのような一面もあります。しかし当事務所の考え方は違います。
家族に「相続や遺言、成年後見」の問題が降りかかった時、それは、「家族についての想いをお互い語ったり、伝えたりする」キッカケの時がきたということではないでしょうか?
今まで長い間「家族」として共に過ごした時間はありますが、それを言葉にだして、語るキッカケはなかなか日常にはありません。
残された家族に、本当に伝えたいことはなんですか?
また、亡くなった大切な家族に、本当に伝えたいことはなんですか?
お子さんに伝えたいのはどんなことですか?
私たちのところへ生まれてきてくれてありがとう。
そんな言葉かもしれません。
両親に伝えたいことはどんなことですか?
お父さん、お母さん、生んでくれてありがとう。
もっと、もっと想いがあふれてくると思います。
兄弟姉妹に伝えたいことはなんですか?
子供の頃、遊んだあの思い出の場所のことかもしれませんね。
私たちは、「相続・遺言・成年後見」業務を通じて、「家族についての想いを語り、幸せな家族を増やす」ことをミッションとしています。
横浜・六角橋相続サポートセンター
斎藤 竜