亡くなった父親に見知らぬ第三者が相続人として登場し、その子と遺産分割をするケース
状況
ご自宅の建て替えのため、金融機関から土地を担保に融資を受けることになることになり、土地の権利状況を調べてみると、亡き父名義の状態であり、金融機関から亡き父の相続による名義変更が必要との指摘を受けて、当センターに相談に来ていただきました。
依頼者は亡き父の相続人は母親、長男、次男の3名との認識であり、土地の名義についての相続手続きも特に急ぐ必要がないとのことでそのままにしていたとのことでした。
相続手続きのご依頼を受け、戸籍を辿っていくと、亡き父は遠い親戚の子を養子にしていたこと、その養子にあたる方も既に亡くなっており、その子が4名いたこと、そういった事実が戸籍収集に伴い、はじめて明るみになってきました。
相続関係を調査した結果をご依頼者に報告した際、お母様はとてもびっくりしておりました。亡きご主人はとても寡黙な方で結婚される前のことはほとんど語ることはなかったようです。
ただ、ご主人が結婚される前、戦争のこともあり、家の関係で親族間いろいろあったといったことをご主人様以外の親族から過去聞いたようなことがあったとおっしゃっていました。
今回判明したご親族は全くご依頼者ご一家とお付き合いがなく、初めてご連絡をとることとなりました。
当センターからの提案&お手伝い
土地の名義を変更するには、亡くなった養子の子4名を含む相続人全員による遺産分割協議が必要となります。
まずは単純に名義を変更したいからといって、遺産分割に必要な書類を郵送、連絡をとるのではなく、亡きお父様の生前の生活状況、晩年の状況、お墓はどこにあり、戒名は何か等々、お父様にまつわるお話を手紙にまとめ、まずはお話がしたいといった内容のお手紙作成のお手伝いからさせていただきました。
相続のお話し合いはどうしてもご自身の立場からの主張をしてしまいがちですが、相手の立場、状況、故人の生前の生活環境をよく理解して丹念に当事者同士話し合いをすることがとても重要となります。
結果
お手紙を送りすぐにご連絡をいただいた方もいましたが、数週間たって郵便は到達しているもののご連絡がない方もおり、数回にわたりお手紙を送り、電話番号を電話局から調べて電話をし、当センターに相談しながら、依頼者様が懸命に話をした結果、最初に相続手続きのご相談を受けてから4ヶ月経過してようやく遺産分割の話し合いがまとまりました。
今回のご相談を通じて、お母様は遺言という制度があることを知っていれば、主人に手続きをさせていたのに・・・、もっと早くそういう制度があることを教えて欲しかったと言っていたのがとても印象に残りました。
この事件を通じて、多くの方に生前の相続対策の重要性を伝えていかなければいけないと改めて認識した事案でした。
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解決事例カテゴリー
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相続に対する想い
~「相続・遺言」を「家族への想いを語り、伝えるキッカケ」にしたい~
相続・遺言問題は、マイナスのイメージでとらえられることが多いですよね。
争族、必ずモメる遺産分割‥等
一方、楽観的な考え方でよくあるのは、このような意見です。
ウチの家族は仲がいいから大丈夫、もめるほど財産がないから‥等
本当にそうでしょうか?
確かに、そのような一面もあります。しかし当事務所の考え方は違います。
家族に「相続や遺言、成年後見」の問題が降りかかった時、それは、「家族についての想いをお互い語ったり、伝えたりする」キッカケの時がきたということではないでしょうか?
今まで長い間「家族」として共に過ごした時間はありますが、それを言葉にだして、語るキッカケはなかなか日常にはありません。
残された家族に、本当に伝えたいことはなんですか?
また、亡くなった大切な家族に、本当に伝えたいことはなんですか?
お子さんに伝えたいのはどんなことですか?
私たちのところへ生まれてきてくれてありがとう。
そんな言葉かもしれません。
両親に伝えたいことはどんなことですか?
お父さん、お母さん、生んでくれてありがとう。
もっと、もっと想いがあふれてくると思います。
兄弟姉妹に伝えたいことはなんですか?
子供の頃、遊んだあの思い出の場所のことかもしれませんね。
私たちは、「相続・遺言・成年後見」業務を通じて、「家族についての想いを語り、幸せな家族を増やす」ことをミッションとしています。
横浜・六角橋相続サポートセンター
斎藤 竜